Planetary Health Dietは、ユル意識高い系食生活?


第1回目の論文考察は、Planetary Health Dietについて。EAT-LANCETっていう委員会が数年間かけて話し合い、環境にも身体にも優しい食事について話し合い、科学的根拠に基づいて「こんな感じの食事をしたら良いんじゃないか」っていうReferenceとしてPlanetary Health Dietを提案しています。

EATーLANCET Website:https://eatforum.org/eat-lancet/
2025年の報告書:The EAT–Lancet Commission on healthy, sustainable, and just food systems
2019年の報告書:Food in the Anthropocene: the EAT–Lancet Commission on healthy diets from sustainable food systems

Planetary Health Dietは、意外と「ゆる系」食生活です

「環境に良い食事」とか「サステナブルな食生活」と聞くと、正直ちょっと身構えてしまいませんか?私は正直、考えるのも嫌で憂鬱になります。牛肉を作るためにアマゾンが伐採されて、二酸化炭素が増えて牛からのメタンガスも増えるし、鶏卵のためにオスのひよこがバッサバッサ殺されてたり。コーヒー、エビ、カカオ、なんでも人間の快楽のために自然が破壊されてて人類は自爆に向かってる・・・って知ってるけど向き合うのは怖すぎるし、「コーヒーもお肉も一生食べないって誓えますか?」と言われると無理だし、添加物・農薬・・・・とか言われると、もう思考停止に陥るしかない。

でも、2019年にEAT-LANCETが発表した環境にも身体にも優しいPlanetary Health Diet(以下、PHD)の内容を見て、「あ、これならスーパーストイックな修行僧みたいにならなくてもできるやつかも」と思い、少しだけ向き合えるようになったので、今回共有したいと思っています。

ざっくり言うと、植物中心の食生活にしつつも、お肉や魚、卵や乳製品は減らして摂取しても良いよ。という内容で、実は日本人なら和食を増やせば結構簡単に達成できるのではと思います。

なぜ環境のために食事を変えるのが「コスパ」が良いのか?

気候変動とか環境問題を考えるなら、工場とかの方が大事なんじゃないの?と思われる方も多いかもしれませんが、実は食料生産システム全体(生産から加工、輸送、廃棄まで)が、世界の温室効果ガス排出量の約25%〜30%*を占めていると言われています。(*はEAT-LACET内での記載。他に色々な報告がありますが、大体近い数字になっています)。

車を使わないで全部公共交通機関を使う、とかエアコンを全く使わないとか、は現実的な気候変動への取り組みとして結構厳しいですが、毎日の食事を少し見直すだけで、結構な温室効果ガスを減らすことができるため、食事の取り組みは結構タイパ・コスパの良い環境対策と言えそうです。

自分の健康だけでなく動物愛護や環境への配慮で完璧なヴィーガンかつオーガニックしか食べない、というような本当に志の高い方もいますが、実際の環境へのインパクトとして考えると、5%の人がヴィーガンで完璧な努力をするよりも、50%の人が牛肉を食べるのを半減する、とかユルく意識する方が圧倒的に影響力が大きいです。

PHDは、50%までは無理かもしれないけど、30−40%くらいの人が努力できそうな構成になっていて、その「ユルい意識の広がり」こそが、大きな変化を生むのではと期待されます。

焼肉や餃子も時々ならOK。推奨の摂取量

EAT-LANCETの論文では、食事のあり方だけでなく、食糧生産・流通のあり方、対処しない場合の将来のシナリオなど非常に膨大な情報が網羅されていますが、ここではキッチンや食卓で対応できる食生活の提案だけを取り上げたいと思います。以下がEAT-LANCETが推奨する各食品群の摂取量です。

1日あたりの推奨摂取目安 

  • 全粒穀物: 210g (1日のエネルギー摂取の20−50%)
  • 芋類: 150(0-100)g
  • 野菜: 300 (200-600)g
  • 果物: 200 (100-300)g
  • 豆類(レンズ豆・大豆など): 75 (0 -150)g
  • ナッツ類: 50 (0-75)g
  • 赤肉(牛・豚・羊): 15 (0-30)g
  • 鶏肉: 30 (0-60)g
  • : 30 (0-100)g
  • : 15 (0-25)g
  • 乳製品: 250 (0-500)g (牛乳で換算)
  • 添加糖: 30 (0-30)g
  • 不飽和油脂(オリーブ油など): 40 (20-80) g

括弧内が許容範囲で、卵だと15g(週1.5個が目安だけど、2日に1個くらいでも許容範囲)という感じでしょうか。

例えば、朝ごはんと昼ごはんは動物性タンパク質なしで、夜は鯖の塩焼きとか鶏肉料理くらいのレベルで良さそうです。うちでは朝食がパンだった時は、おかずが卵とウインナーと野菜だったので「これは卵が余裕でオーバーするな」と思ってましたが、和食にすると納豆と味噌汁でほぼベジタリアンになるので達成しやすいです。

推奨されている赤身肉(牛肉・豚肉など)の量は、1日あたり約14g。 「少なっ!」と思うかもしれませんが、1週間に換算すると約100g。さらに1ヶ月(30日)なら約420gです。そう考えると

  • 月に1回、豪華な焼肉屋さんで上カルビ定食やステーキを楽しむ:他で赤身肉を食べないなら問題なし。
  • 夕飯に餃子を食べる: 餃子1個に含まれるお肉は3−6gくらいらしいので、肉控えめ餃子6個なら1日の制限をちょっと超えるか超えないか。翌日お魚や豆料理にすれば「合格点」。
  • セブンのブリトー(ハム&チーズ):多分ハムは20gくらいなので多分オッケー?

実際の食事はどうだったか?

リブレ2で食生活を記録した2月21日〜3月12日のうちの17日間について、Claude CodeにWeb Pageを読み取ってもらい、摂取量を概算してもらったのが以下になります。

どこまで妥当な数字かはわかりませんが、結構それっぽい数字が算出されました。
一番気にしていた赤身肉もめちゃくちゃオーバーしているわけではなく許容範囲内!
リブレ2で測定している期間中は、当然PHDを意識して料理をしていたので「他人に見せるための優等生食生活」気味ではありますが、それでもあんまり我慢して食生活をしていたわけではなく、普通に豚の生姜焼きやミニカツ丼を食べたりしてます。

結論としては、「PHDはそんなに無理しなくても血糖値が健全に管理されるような食生活にしてたら実現可能」と言って良いんじゃないかと。結局腸に優しい腸活を意識すると、こういう食生活に落ち着くし、それで環境負荷が下がるなら素敵じゃないでしょうか。実際には、忙しいと料理できないし、お金ないと果物食べられないし、そんな簡単なものでもないんですけどね。

これを読んでくださった方で、今度ダイエットしようかなーと思っている人は、一度PHD:Planetary Health Dietを意識してやってみてくれたら嬉しいです。

Nano Banana先生が作ってくれたPHDのイメージ図。結構満足な食事が食べられます。

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