発達障害と私 (7/10) 私、マイノリティじゃない?

ADHDのソフト面での困りごとは、外部環境との関係性の上で感じるものだという自論を前回書きましたが、こういう性質があっても元気に暮らしていくには、適した仕事、生活環境、趣味、友人、パートナーと出会うことが決定打になると思います。

初回に書きましたが、私は30歳くらいまで生活環境は学園都市つくば、趣味はロッククライミング、仕事は研究所という特殊環境で暮らしていたので、自分が多少変わってるかな?と思っても社会に適合できないと思うほど苦悩することはありませんでした。これは完全な私見ですが、クライマーも研究技術系の人々も世間からずれていて特殊能力や才能があったり賢いと言える人が多く、推定3割以上は、発達障害かグレーゾーン、ギフティッド(または両方)なんじゃないかなと思います。最近はクライマーの幅も広がってきたので、そこまで極端に変わった集団ではないかもしれませんが、2000年代までに岩場をウロウロしている人々はそんな感じだったかな?と思います。

一説によると組織において少数派の割合が3割以上になると、組織全体の文化や意思決定に影響力を持つようになる「黄金の3割理論」というのがあるそうで、私が所属しているような集団では、発達障害かギフティッドみたいな「はみ出しちゃってる人」が3割以上いるので意見が反映され、私もそれほどマイノリティ扱いされないで違和感を感じずにこれまで生きてこれたんじゃないかな?と思っています。

その後、研究所が閉鎖したことで、人事とか出張系の仕事とか、お役所相手の仕事とかいろんな仕事を経験してきましたが、仕事の種類やその職種をしている人々との人間関係からくるADHDの苦悩は大幅に違うことを実感してきました。特に、周りの人の違いは絶大な影響力があります。

もし発達障害的な特性が強くて、これから就職するくらいの人がいたら強くオススメしたいのが、発達障害系の人が大勢いるような職業か趣味をもつことです。これも私見ですが、人間は集団に属したいという気持ちがあるので、「自分だけが変わっている」と感じるのは強い孤独感や不安感につながると思います。自分がマイノリティではないと感じられる集団との関係性があれば、他の集団にいてアウェイ感を感じだとしても安定していられるのではないのかな、と。しかもそういう環境にいれば、人間関係系の困りごとはかなり軽減し、困りごとにならないケースも多いと思います。

そういう意味で、私はめっちゃくちゃラッキーで、親も勉強しろとか言わないでおおらかに育ててくれたし、中高一貫女子校も大学も、30歳くらいまでの職場も、ぜーんぶ特殊環境だったので、比較的すくすく成長できたんじゃないかと思っています。そして今は、良き理解者であるパートナーがいて、自分の方が普通かな?と思えるようなクライマーの友人たちがいるので、発達障害きついなーと思うような仕事内容でも結構ちゃんと暮らせてるんじゃないかなと思います。

とはいえ、まあ薬を飲み始めたってことは仕事があんまり適していないってことかもしれないので、長い目で見たら調整していく必要があるのかもしれませんね。でも、この歳になって違うことを始めるのも大変だし仕事内容自体はドンピシャ適職だし、生きていくためには妥協と調整は必要だからなーーー、とブログを書きながら内省しました。

母が子供の頃の写真を宅急便で送ってくれました。右が私で、2歳になっても髪が生えそろってない!頭の中も外も成長にだいぶ時間がかかった子でした

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