潤いのニューハンプシャー


《ゆ》
6月4-5日 Rumney,NH
アメリカに来たばかりの頃読んだ新聞では、ニューハンプシャー(
NH)での予備選でトランプとサンダースが勝利した、と伝えていた。その時、記事の内容より気になったのが、New Hampshire, Granite State, と書いてあったこと。アメリカの各州は、ニュージャージー州→Garden State、ケンタッキー州→Bluegrass State、など州の特徴を示すニックネームがついている。Granite State、花崗岩州?こりゃ凄い岩場があるじゃない?とクライマーとしては食いつかないではいられない記事だった。しかし、ペンシルベニアからはニュージャージー、ニューヨーク、コネチカット、マサチューセッツ州をまたぐ必要があり650km離れたこの地に行くのはいつになるだとうと思っていた。

そんな気になる
NHにとうとう遠征。ふたを開けるとNHのクライミングは別に花崗岩に限らず色んな岩質があった。今回行ったNH で一番有名な岩場のRumneyも、Shcist(結晶片岩or片岩)という変成岩の一種。見た目は銀色に光っており、鉱物がたっぷり入っているような感じ。乾いて新しいところはフリクションがよいが、良く登られているところは結構ツルツル。カチっとしたカチが多く、傾斜が結構ある課題が多い。惜しいところは、岩の性質のせいなのかルートの途中で完全にレストできてしまうような段々になっているところが多く、実質短いルートの組み合わせだったりする。なのでRed River Gorgeのような「世界的な岩場」という印象はない。だが、ムーブも多彩でルートも数えきれないくらいあり、5.7から5.15近くまで狭いエリアにそろっており、トラッド&アルパイン&ボルダ―まであり、どんな面子でも遊びにいけるという素晴らしい点もある。すぐ近くのMoutain Pines Campgroundは110ドルだが、Wifiが使えてシャワーは無料で使えるし熱いお湯がちゃんとでる。コンセントもあるので携帯の充電もできる。1週間くらい滞在して、ボルダー→ルート→ニューハンプシャーの新鮮な食材を堪能→マルチ、なんて避暑ツアーも素敵かもしれない。
さらにすごいのが、Mountain Projectのアプリが完全にガイドブックとして使えること!岩場の地図からルートまで、なんでも情報が得られる。これって本当にすごいことだと思う。トポは売れなくなるかもしれないけど、多くの人がアプリの恩恵を受けることができるし、電子媒体なので岩場の問題があればすぐUpdateが来るし、なんかアメリカらしいなと思った。

https://www.mountainproject.com/mobileApps

すでにRumney入りしているグレッグに合流するため、まずは7時間単独ドライブ。金曜夜に移動完了予定だったが、移動途中「財布なくしたかもー!」トラブルがあり、往復4時間かけて家に帰る。結果として財布は見つかったが、「もう行くの無理」と思ってグレッグに電話すると、友人が帰って土日は一人とのこと。これは行かないとなーと思い、再度土曜朝4時ペンシルベニア発。到着したらお昼すぎ。すまんーーーー!そんな間Gregは岩場で友人Mark & Marxを見つけてクライミングしてくれてた。無駄に11時間ドライブして、身も心もヘロヘロ。
ビレイ&寝るでいいかと思ったけど、
Bonsaiエリアでアップして、Orange Cragエリアの看板課題「Predator 5.13aかb」をみんなでトライ。2ピッチ目になっているので、トライするのに一手間かかるけど、めっちゃカッコいい!しかも全部ガバかカチガバで、ちょっとしたボルダ―ムーブがあるけどリーチは関係ないし、これは日本ではなかなかない良い課題!!ムーブ作ってトップアウトさせてもらうが、これは再訪してやりたいなー。コンペティターなら、かなり良い確率でオンサイト狙えると思う。
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どや!!っていうくらい見栄えのよいPredator。

20時まで明るいので、余った時間でFlying Monkey 5.12cも触ったけど、これも良い課題。蚊がいっぱいいて大変だったが、筋肉量、二酸化炭素および熱量が高いGregに蚊が集中したため、自分はセーフ。

翌日は雨予報なので7時台からクライミング開始。
Main Areaに行き、Underdog 5.10aでアップしたあと、そのExtentionのSimon Bar Sinister 5.12bをグレッグと二人でSend-train。グレッグはクライミング初めて1年ちょっとで若くてムキムキなので、すぐ私より強くなると思うが、しばらくは同じレベルでSend Trainができて良いかもしれない。
そうしていると雨が降ってきたので、一番雨に強いWaimeaエリアに移動。全く雨の影響がなく、「Bone Dry !!(骨くらい乾いてる?よく分からないけど、パリパリに乾いていることをいう)」と喜んでいたが、激しい雨はやがてミスト上になり、フリースがしっとりするくらい潤いのある空気になって、岩もお肌もスベスベに。
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Man Overboard 5.12d (完全コウモリ状態になれるルート) 

グレッグはクライミングしたい情熱のあまり、しっとりでもガンガン登ってましたが、私はヘナヘナ。粘って16時まで登って撤収して、またまた7時間ドライブ。行きはTEDを聞いたり勉強する気があったが、帰りは疲労が限界で、You TubeでJudy and Maryとか90年代の曲を探して聞きながら熱唱して帰る。とりあえず懐メロを熱唱すれば一人で週末14時間ドライブ
できるということが分かったのが、この週末の一番の収穫だった。でも、次回は絶対誰かと話しながら行けるように、単独ドライブはやめようと思う。

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