北の国から2026 ~セカンドライフ~ Vol.3 「美瑛(びえい)」

■17日(木)

《美瑛ドライブ》

隣町の滝川で買い物と昼食を済ませ、いよいよ最初の目的の一つとして掲げた美瑛に向かうことにしました。美瑛のすごさは、広大な土地一面に作物があって、車でいくら走ってもその景色が変わらないところにあると思います。

関東近辺に暮らしている人の感覚だと「これだけ走ればだいたい民家が出てくるはずだ」とか、「そろそろ山にぶつかってトンネルが出てくる頃だ」というところまで走っても、美瑛では景色が変わりません。人もいない、家もほとんどない農地を傍目に、アップダウンと多少の蛇行を繰り返しながら道が延々と続きます。写真で切り取ったフレームはある一点から見た綺麗な景色でしかないのですが、全ての方向からそんな景色に囲まれ、走っても走ってもそれが延々と続く空間に身を置いていると、それまで身に付けていた自分の感覚が揺さぶられバグって驚いて感動して写真を撮りたくなって誰かに伝えたくなったりします。でもやっぱり、写真と文章には限界がある。伝えたいんだけど、多分これだと伝わらない。それが美瑛の凄さなのだと思いました。

残念なことにこの時期の美瑛、写真に収めたところ以外ほとんどの作物が収穫されていて、圧巻の景色がずっと続いていたという訳ではなかったのですが、今来たところの全てに何らかの作物が植わってたら凄いんだろーなー、というのはわかりました。とりあえず、ドライブの最終目的地を前日に教えてもらった「マイルドセブンの丘」に定め、そこに向かうことにしました。

到着。農場みたいですが、マイルドセブンの丘って書いてあります。

昭和50年代に、この土地の写真がマイルドセブンのポスターに使われたらしく「マイルドセブンの丘」としてGoogleMapにも登録されています。確かにフォトジェニックなのですが、実態としては私有地で立ち入り禁止なのと、それ自体には特に感動がありませんでした。近くに行くともっと色々な現実が見えちゃうからでしょうか。

この辺りを車で散策すると、確かにそこそこ綺麗な景色がみれますが、黄色いのは全て枝豆です。ここに来るまでのドライブで綺麗な景色はたっぷり堪能していたので、ここに辿り着いた頃には「へ~、枝豆ってこうやってなってるんだ!」という関心の方がやや上だったかも知れません。

目的としていた美瑛のドライブを終え、マイルドセブンの丘周辺も納得するまで見て回ったので、翌日は百名山の旭岳に登るべく、東川町の道の駅「ひがしかわ・道草館」に向かいました。

《東川町》

東川町は、わずか8600人の小さな町ですが、大雪山国立公園の玄関口に位置しているため、登山をする人達が前泊して拠点にしているようです。ちなみに、大雪山という山がある訳ではなく、北海道最高峰の旭岳(2,291m)を主峰とした、黒岳、赤岳、トムラウシ山からなる連山全体を指して大雪山系と言っていますが、めちゃくちゃ広大で本州の人が考える広大とは次元の違う広さであることに、この時は気付いていませんでした。

大雪山国立公園は、東京都がすっぽり収まる広さで、東京23区から奥多摩まで、都内全域が丸ごと山岳地帯になっている規模です。神奈川県の面積に匹敵し、横浜から三浦半島、箱根、丹沢までの神奈川県全土がそのまま手つかずの巨大な山塊になっているのと同じです。AIくんに言わせると、高尾山や奥多摩、丹沢、秩父といった関東周辺の山域を全部足してもまだ足りないってことらしいのです。

建屋の中には、旭岳や黒岳に関するロープウェイチケットのお得情報を示すポスターや、旭岳のヒグマ情報、散策する時に準備するべき服装などが示されており、登山客を想定した道の駅であることを伺わせます。

道草館の隣には、道の駅の敷地内にモンベルショップがあります。みんなここで登山に必要なものを補充し、一晩車中泊して翌朝早くに登山に向かうという訳です。尚、熊スプレーは、なんと12,000円もするのですが、ここにいる人々の数からして登山客は相当な数がいそうであること、誰かしら熊スプレーは持っているであろうことが推測できたので、スプレーは買わずお守り程度に熊鈴だけ調達しました。

ちなみに東川町には「キトウシの森きとろん」というスパがあり、わずか8600人の町が包容するにしては巨大なスパがあります。しかも1000円という意味不明の格安料金設定でした。土地が広い北海道では施設も駐車場も贅沢で、温泉施設にはその後も軒並み恵まれていました。

この日は19時過ぎに行ったこともあり、スパに併設されたレストランは閉まっていたので、再び街に出て外食することにしました。

「東川楽座」にて20時頃に外食。何を食べたんだっけな~。

《17日のドライブ日記》

美唄や滝川の市街からマイルドセブンの丘までが、約80㎞で1時間半程度。対向車とすれ違った記憶がないぐらい車は見かけず、ドライブしながら景色が楽しめました。マイルドセブンの丘近辺は、自分と似たような感じの観光客がチラホラいましたが、車をゆっくり走らせ気になる所で停めて写真を撮りました。マイルドセブンの丘から東川町の道の駅までが20㎞弱で24分。そこからキトウシの森きとろんまでは車で8分。尚、旭川までは15㎞30分で行けますが、何があるのかわからないのと市街地は面白くなさそうなので行きませんでした。

                                      (つづく)

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