スペイン戦 その2  〜悪魔の証明〜

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彼らが主張する、「4人の日本人がカバーを失くした証拠」は、我らが車を返却した後に撮ったカバーの無い写真だけですが、それまでのやりとりで彼らが言ってることを繋ぎ合わせると、次のようになります。

 

・車が返却された後に我々はルーチンとして毎回調査をしているが、今回の返却時の調査ではカバーが無かった。
 *前回の客が返却した時の調査時にはカバーがあったとは書いていません。

・証拠はこの写真だ。(なので君らがこのカバーを失くしたと言うことだ。)

・契約書に基づいて、€4005万円)請求させてもらう。

・(もう引き落としちゃったから)もう返金できないけどね。 

 

車を借りた時にはレンタカー会社の立会いは無く、返却した時も立会い無しで鍵を返しに行っただけなので、最初の状態を双方で確認し合うと言うことはしていません。車を借りた時に、カバーはなかったはずなので、彼らの論理はどこかおかしいはずです。最初からカバーが無かったと言う事実から遡っていくと、次の3つのどれかが該当すると思います。

 

①前回の、調査のルーチンでカバーが無いのを見落としていた。

②調査の後に、車内のクリーニングに出したが、その際に掃除担当がカバーを外して、付け忘れた。

③カバーが無いのはわかっていたが、この際日本人のせいにして€400請求し、そのお金で補修しちゃおう。

 

 

彼らが我々にかけている容疑を晴らすには、カバーが最初からなかったことを証明しなければならないのですが、「これって悪魔の証明じゃん。」というぐらい難しい。最初の引き渡しの時点で双方の立会い確認はしていないし、我々はカバーが無い状態を通常だと思っていたので、借りた時になんの指摘もしなかった。後から考えた時に、カバーが無かったことを示す証拠は我々4人の記憶しかない。しかし、それは既に否定されている。最後に残ったのは、返却された車にカバーが無いという写真で、これを盾に彼は金銭を請求してきている。

 

しかし彼らは、我々に車を引き渡した時に、カバーがあったという証拠を示していません。最初からカバーは無かったのでそんな証拠を示せるはずはないのですが、最初にカバーがあった証拠がなければ、彼らの言い分は成立しません。という訳で、ほとんど無意味かとは思いましたが、一応言うだけは言っておこうと思い、次のような内容のメールを出しておきました。

 

・トレーは間違いなく最初からなかった。

・あなた方は、トランクのトレーが無い写真を送ってきて、我々が失くした証拠としているが、カバーは最初からなかったんだから、返却した時に無いのは当然。

・我々に貸した時に、カバーがあったという証拠を、日付等の記録付きで示してください。

・そもそも、車の後部座席のトレーも逆さまに付いて使えず、いい加減な整備がされていました。整備をした時にカバーを失くしたんじゃないですか。

・カバーが最初からあった証拠を示せないなら、我々が紛失したことにはならないから、これは不当な請求なので、我々は支払うつもりはありません。

・不当に請求された場合は越境消費者センターに相談して、対処を検討します。

 https://www.ccj.kokusen.go.jp/ccj_syki

 

 

彼らの請求を正当化するためには、カバーが最初からあった証拠を示さなければならなくなりましたが、そもそも本当になかったので、証拠を示せるはずはありません。その後、彼らからの返事はありませんでした。

 

彼らの論理は破綻していますが、こちらの主張を無視し続ければ、その内この問題は風化していきます。現に我々は日本の日常に追われ、スペインの出来事については意識が薄らぎ、「何か返事あったー?」と4人の間でメールを交換する程度になっていました。

 

コメント

  1. つよぽん より:

    えらい目にあってるね・・・
    続きが気になる!!

  2. M より:

    >>1 良かったです。海外ツアーに出るクライマーにとって、いつこんな問題に出くわすかわからないし、テーマとして面白いと思ったので書く事にしました。ちょっと長いですが続編を楽しみにしてて下さい。